分限免職とは?適用されるケースと必要な手続き

分限免職は、懲罰的な意味合いで行われるのではなく、対象の公務員が「公務員には向いていない」と判断して行われます。勤務実績が芳しくない場合や、心身の故障によって職務の遂行に支障をきたしている場合など、分限免職の対象となることがあります。

また、職場の人員削減が必要になったときも分限免職が行われることがあります。懲戒免職と意味は異なりますが、公務員としての職を解くという点では同じです。分限免職の理由には公正性が求められます。

分限免職とは

分限という言葉は、「身分保障の限界」という意味で使われます。分限免職は、公務員の身分を保証することができなくなったために行われる免職ということです。分限免職には懲罰的な意味合いはなく、対象の公務員が「公務員には向いていない」と判断して行われます。

懲戒免職とは異なり、対象の公務員の責任の有無は問いません。また、退職手当も支給されます。しかし、懲戒免職と同じく公務員としての身分を剥奪することになるため、任命権者が分限免職を行うときには、公正でなくてはなりません。

実際に分限免職となる事案としては、疾病によって以前と同様に勤務することが困難になるケースが挙げられます。分限免職ではなく、分限休職とすることもあります。

分限免職が適用されるケース

分限免職が行われるケースとしては、まず、勤務実績が良くない場合が挙げられます。次に、心身の故障のため、職務を遂行するにあたって支障をきたす場合があります。

事故や病気などで、以前と同様に勤務することが難しくなった場合などは、分限免職の対象になることがあります。そして、官職に必要な適格性が欠けていると判断された場合も分限免職の対象となり得ます。

ここまでに述べた三点については、対象となる公務員が簡単に矯正するこができないような素質や能力などによって、その職務をスムーズに遂行することができないことが根本的な理由となります。ほかに、定員枠や予算の現象に伴い、人員削減が必要となったときも分限免職になることがあります。

分限免職で必要な手続き

分限免職の手続きとしては、まず、任命権者は対象の公務員に関する職場での事実調査を行います。次に報告書を作成し、本人に対して事実調査を行います。管理監督者に対しても事情聴取を行い、正しく情報を集めます。

調査書を作成したあと、処分案を作成します。対象の公務員の状態は免職に相当するのか、降任処分にしたほうが良いのかしっかりと検討します。分限免職とする理由が公正なものでなくてはなりません。処分が決定したあとは、速やかに処分を発令します。

このとき、口頭の意思表示でもかまいませんが、辞令書を出すことで、意思表示を明確にし、証拠とすることができます。対象の公務員が不利益な処分だと判断した場合、任命権者に対して説明書の交付を求めることが可能です。

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