諭旨免職とは?適用されるケースと必要な手続き

公務員が犯した非行について任命権者が諭し、自発的に辞職するように促すことを諭旨免職といいます。正当な理由のない長期欠勤などが諭旨免職の対象となり得ます。懲戒免職になるような非違行為だったとしても、それまでの働きを考えて温情的に諭旨免職にすることがあります。

通常は、まず停職処分にし、後に自己都合退職となります。履歴書上は自己都合退職となるため、再就職が困難になるといった、懲戒免職を受けた場合に生じるような不利益を被ることはありません。

諭旨免職とは

諭旨免職とは、公務員が非行を犯した場合に任命権者が諭し、自発的に辞職するように促すことです。退職勧奨の言い方で、公務員の免職に関する説明の中に諭旨免職というものはありません。

諭旨免職は対象の公務員が違反を犯したときに行われるもので、趣旨としては懲戒に近いものといえます。しかし、履歴書上では免職ではなく自己都合退職となるため、免職を受けた場合に再就職が困難になるなどといった不利益を受けることはありません。

また、懲戒処分の場合は一定割合の減額がありますが、退職手当が支給されます。諭旨免職は免職でありながら退職手当が支給されるため、世間から多くの批判を浴びました。そのため、現在では諭旨免職という言葉が使われることはありません。

諭旨免職が適用されるケース

諭旨免職とは、懲戒免職とまではいかないけれども、懲戒処分のひとつといえます。公務員が働いた非違行為の内容が、懲戒免職にするほど悪質ではないけれども処分に値する場合に諭旨免職となります。

たとえば、正当な理由もなく長期間欠勤した場合や、公務の運営に大きな支障をきたすほどの秘密漏洩を行った場合などです。セクシュアル・ハラスメントにも厳しく、強制わいせつなどを行った場合も免職となり得ます。

公務内における非違行為のほかに、公務外で障害や賭博、飲酒運転などといった非違行為を働いた場合も諭旨免職の対象となり得ます。罪の程度が重大な場合は懲戒免職となるでしょう。諭旨免職となる前に、停職処分が下ることがあります。

諭旨免職で必要な手続き

諭旨免職を行うためには、相当の理由が必要です。本来ならば懲戒免職にも該当するほどの正当な理由があることが求められます。対象の公務員を停職処分にし、後に自己都合退職を促します。

公務員が自己都合退職する方法として、退職の意思を示すためには文書でも口頭でもかまいません。一般的には退職願を提出することになります。諭旨免職の理由となる非違行為が比較的軽度の場合などは、退職金は満額支給されます。

しかし、非違行為が重大な場合は、退職金の一定割合が減額されます。諭旨免職は、履歴書上は自己都合退職と書くことができるため、懲戒免職のように再就職が困難になるなどといった不利益を防ぐことができます。場合によっては再就職先が斡旋されます。

■免責事項
当サイトは、書類の書き方に関して管理人の経験・調査に基づいた情報を掲載しています。全てのページにおける記載内容について発生した事案については利用者の自己責任となり、当サイトのご利用による損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。