普通解雇とは?適用されるケースと必要な手続き

普通解雇は、懲戒解雇や整理解雇などを除いた、一般的な解雇を意味します。使用者と労働者の間で著しく信頼関係が損なわれた場合や、労働者の職務遂行能力が欠如している場合などに普通解雇が行われます。

普通解雇の事由は、使用者が一方的に判断することができる側面があり、不当解雇に捉えられることがあります。解雇事由は法令に違反しないものでなくてはなりません。また、就業規則などに普通解雇となる根拠が定められていることが大切です。

普通解雇とは

解雇とは、一般的には普通解雇のことを指します。普通解雇という呼び方は、懲戒解雇や整理解雇などといった解雇と区別をつけるために使用されます。懲戒解雇は労働者に責任がある懲罰的な解雇、整理解雇は人員整理をするための解雇と、はっきりと説明することができます。

しかし、普通解雇は懲戒解雇や整理解雇にあたらない、使用者と労働者の間の信頼関係が破綻した場合の労働契約解除となるため、使用者の主観で行われることがあります。

たとえば、労働者が使用者の求める働きをしなかったり、使用者が定めたルールに背いたりした場合に普通解雇となることがあります。使用者が一方的に労働者を解雇できる不当解雇と取られやすいため、労働者と争うこともあります。

普通解雇が適用されるケース

普通解雇になる状況は、たとえば業務に支障をきたすような病気が1年以上続いて回復が期待できない場合や、怪我により2年も業務に支障をきたす場合です。また、専門職として採用したにも関わらず、専門技術が著しく乏しい場合も普通解雇の対象になり得ます。

職務遂行能力が欠如している場合にも普通解雇の対象になります。この職務遂行能力の欠如により普通解雇された例としては、ゼネラル事務機事件や日本エヌ・シー・アール事件などがあります。

また、本来ならば懲戒解雇となるところを諭旨解雇にする場合に、普通解雇が行われることがあります。懲戒解雇のほうが厳罰のため、労働者が反省している場合は使用者が情けをかけるような形で普通解雇の処分にするということです。

普通解雇で必要な手続き

普通解雇を行うためには、30日前までに労働者に対し解雇予告を行うことが必要です。解雇予告をしないときは、平均賃金の30日分の解雇予告手当を支払う必要があります。解雇事由については、法令に違反してはなりません。

たとえば、育児休業や介護休業の取得を理由に解雇することは法令違反です。また、解雇事由となる根拠が、労働協約や就業規則、労働契約に定められていなければなりません。解雇が使用者の一方的なもので、権利を乱用するようなものならば認められません。

基本的に、労働者に問題があったとき、いきなり普通解雇を宣告するのではなく、警告や是正機会を与えるといった措置が取られます。何をしても改善を見込めないときに、普通解雇を言い渡します。

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