不当解雇とは?適用されるケースと必要な手続き

不当解雇とは、使用者が、法律や就業規則などを守らないで一方的に労働契約の解除を行うことです。結婚や妊娠を理由とした解雇や、会社の違法行為を内部告発したことによる解雇などは不当解雇にあたり、使用者は罰せられることもあります。

使用者は不当解雇をする際に、解雇という形ではなく、自己都合退職の形で労働契約を解除しようと働きかけてくる場合もあります。不当解雇をされた場合は、労働組合や労働基準監督署などに相談することが大切です。

不当解雇とは

不当解雇とは、使用者が、法律上や判例法理上の規定から外れ、就業規則や労働協約などの取り決めを守らないで労働契約の解除を行うことです。使用者は、法律などに定められた要件を満たすと基本的に解雇が認められます。

しかし、必要な要件を満たさないで解雇が行われることがあります。使用者が法律や労働慣例に明るくないために過失的に行う場合や、使用者が悪意を持って故意に行う場合があります。いずれの場合においても、労働者が不服として訴訟に持ち込むことがあります。

しかし、現実的には訴訟にかかる労力を考えて労働者は泣き寝入りすることが多いでしょう。訴訟以外の解決方法としては、労働組合が存在する会社ならば、労働組合を通じて団体交渉をするという方法があります。

不当解雇が適用されるケース

不当解雇は、使用者によって一方的に行われるものです。解雇の理由もまた、一方的で合理性に欠けます。たとえば、結婚や妊娠を理由にして解雇することや、外国人だという理由で解雇することなどは不当解雇にあたります。

また、会社ぐるみの違法行為を内部告発した告発者を解雇した場合も、不当懲戒解雇として問題になります。不当解雇の内容によっては、法律違反とみなされ、使用者は罰則を受けることもあります。使用者が労働者を解雇するためには、30日前までに宣告しなくてはなりません。

そして、解雇予告手当を支払う必要があります。即時解雇の場合は、解雇予告手当を直ちに支払います。会社によっては、解雇ではなく自己都合退職を求めてくるところもあります。

不当解雇で必要な手続き

基本的に、解雇を宣告した使用者は、平均給与の30日分の解雇予告手当を支払わなくてはなりません。即日解雇にする場合は、直ちに30日分の解雇予告手当を支払う必要があります。この解雇予告手当を支払わず、自己都合退職の形式で労働契約を解除しようとする使用者もいます。

もしも不当解雇を行われたら、会社に対して不当解雇を追求する旨の書面を内容証明郵便などで送りましょう。そして、労働基準監督書に、不当解雇のことを申し出ることです。

使用者との和解が成り立たない場合、裁判という手段もありますが、労働者の負担が大きくなるという現実があります。もしくは、労働組合に相談して団体交渉を行います。交渉が決裂した場合、裁判となります。

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